イラスト作品


A winter's day              お茄子さま:作


遅れました!
遅いぞ。点呼を取った後すぐに出発する。
あの…先生と私しかいませんけど…?
コホン…念のためだ。
は、はぁ…
…松本。
はい。
よろしい。全員そろったな。では出発する。
遅れをとり戻さなければ。
待ってください!
なんだ?早くしないと上映時間に間に合わなくなってしまう。
そんなにThe CUTTERシリーズの最新作が見たいんですか?
あぁ、見たい。君もそうなのだろう?
三度の飯よりホラーが好きと言っていたじゃないか。
うぅ…でも、待ってください。
私は待てない。この作品を3年待ったのだ。
もう1秒たりとも待てない。
5秒で済みますから。
君と口論している時間も惜しいな。
仕方ない…5秒だけ待ってやろう。
はい!
じゃあ…目を閉じててもらえますか?

…目を閉じるのだな。わかった。
これでいいのか?
はい。
ん?これは…?
もう目を開けてもいいですよ。
!マフラーか…
今夜はすごく冷えるって天気予報でも言ってたので。
君が編んだのか?
はいっ不恰好ですみませんっ
フム…確かに所々編み目にバラつきがあるが、決して不恰好ではない。
むしろ、素朴な印象を受ける。
作者の心が伝わる良い作品だ。
それに、首元を冷気から保護するマフラーは防寒具としてたいへん有効である。
その点も評価に値する。
それは…誉めているんですよね?
ああ、そのつもりだが?
ふふふ
何をニヤついている。
早くしなさい。
キャッ(氷室が手を引いて歩き出したらしい)
ニヤつくことならば、歩きながらでも出来る。

2003©KONAMI/ お茄子






サイトがお引越しされた際に、「引越しそば」ということで、振舞っていらっしゃったフリー作品を、頂戴してまいりました♪♪♪
『ときめきメモリアルGirl's Side』より主人公ちゃんと氷室先生。
創作を主としているお茄子さんですが、絵も愛らしくて、ほのぼのであったかくて、味わい深いのです!!
その良さが、これにも見事に表れていらっしゃって、白い息を洩らすほどの寒さも、二人であったかいね♪、と云う雰囲気がとてもタッチにマッチしてして、好きですvvv
直接視線を送るでなし、愛しき者を肩越しに見つめる先生が、とてもらしい!!と思いました。

文も勿論お茄子さんの作で、(サイト展示の時点でも)色の違いだけで、どちらの言葉をわからせ、軽快に進む会話という型が、とても面白い〜!!スゴ〜イ!!と、拝見させて頂きました。
先生の分析的論理的口調が、見事に表現されていて、あまりにの見事さに驚きに目を見張ってしまいました。
……なるほど。これが、この人の人格の表れだわ、と。まじまじと思った私でした。